GT SPORTとは
家庭用テレビゲーム プレイステーション「SONY」ソフトウェアのカーレース部門の中で唯一の超ロングセラー「グランツーリスモシリーズ」
2017年10月19日には、最新版グランツーリスモシリーズ「GT SPORT」が世に売り出された。
長年続いていた、プレイステーションソフトウェアのカーシュミレーションゲーム部門でのグランツーリスモシリーズの独走の中、「Forza Motorsport」や「Assetto Corsa」、「Project CARS」の出現で、これまでのカーシュミレーションゲームに無かった、多様性や、オンラインでの自己主張性、コアな車種や走行ジャンルなどのピックアップや忠実な再現性が当たり前となった。
今まではグランツーリスモのやり方で独走していたが、このままでのゲーム性や再現性、コースのピックアップなどでは競合他社のカーシュミレーションゲームには、太刀打ち出来にくい状況ともいえるだろう。
そんな中、GT SPORTでは開発時にFIA(国際自動車連盟)との間に、パートナーシップを結びカーシュミレーションという括りの殻を割り、単なるゲームではなく、一つのモータースポーツにしてしまえという方向にシフトしていると考えられる。
eスポーツ(electronic sports)がアジアオリンピック大会の種目に入るという噂が世界を流れ、日本の動きとしてはの2018年2月には3団体が統合された日本eスポーツ連合が発足。これまでにないオンラインレースの緊張感や、ルールの厳守、マナーアップなどが向上していくだろう。
初代や二代目、三代目タイトルのグランツーリスモは確かにその時代としては、高クオリティーのゲームであったが、ここ最近は他社のゲームに、主に車両音などの再現性が負けていたり、走行ジャンルが乏しかったり、ステッカーチューンなどの自己主張性が少なかったり、コース設定が少なくなったりしていた。
最近は飽きやすいゲーム性になってしまっていたグランツーリスモではあったが、これらの機能や向上によって、長く多くのユーザーを抱え込むことができている状況と言えるだろう。
歴代グランツーリスモの中でカテゴライズされているのが、主に「グリップ」「ドリフト」「ラリー」である。
GT SPORTでのドリフト
ドリフトに関しては、大まかに説明すると、元々レースでの、コーナー時に出るオーバーステア(車の後輪が遠心力方向に滑ってスピンしてしまうこと)の対処の際、カウンターステア(曲がる方向とは逆方向にハンドルを切ること)という操作をして、車を直進方向に戻すというテクニックがある。
そのカウンターステアを当てている状態は、車の前輪側が曲がる方向に向き、後輪側がコーナーの外側に流されている状態である。
これがドリフトである。その動きや車の立ち振る舞いが当時の若者の心をつかみ、走行ジャンルの一つとして確立してしまったのだ。
初代グランツーリスモでも走行前のセッティング画面で「グリップ」「ドリフト」という項目があり、グランツーリスモの中でドリフトという走行形態は、無くてはならないカテゴリーと言えるだろう。
年々グランツーリスモシリーズの走行挙動(シュミレーション)や、クオリティーが向上しており、最近は実車さながらの感覚でドリフトすることができるようになってきた。
オンラインルームなどの、整備も整い友達や知人、ゲーム内で知り合った仲間とも、追走(二台が同時にドリフトして、前車との距離を近づけて走行すること)が容易にできて、さらなるドリフトの楽しみが増えてきたところだ。
前文にも書いたとおりリバリー機能で、好きなD1選手や自分が以前のっていた実車のカラーリングなどを、再現できるようになってきているので、グランツーリスモのドリフトユーザーは大いに盛り上がりを見せている。
さらに、GT SPORTの新機能でリアルタイム観戦のリプレイの巻き戻しや一時停止機能などで、多くのドリフトユーザーが、ドリフトコンテストを企画、開催したり。参加している状況である。
GT SPORTでのグリップ
グランツーリスモシリーズ初代から基本となる走行スタイル。
四つのタイヤ全てのグリップ上手く使い、タイムアタックやレースなどが出来るカテゴリ。要は最速の車の走らせ方と言えよう。このゲームの物理シュミレーションは、ここから始まった。
現行のグランツーリスモ「GT SPORT」では、前作から比べ物にならないくらいの、物理シュミレーションの完成度で、タイヤに関する物理や路面の段差、歪みなどがリアルに車の挙動にシンクロする。
もちろんオーバースピードでコーナーに進入すれば、タイヤが持つグリップを遠心力が超えてコースアウト方向へ飛ばされたり、大きなパワーを持っている車を使えば、無理やたらにアクセルを踏むと、リアタイヤが空転してスピンする。
コーナーイン側の縁石を踏んでコースアスファルト内に戻る時に、若干タイヤが地面から離れる瞬間があれば、大きな挙動変化が起こり、スピンしたり、コースアウトしてしまうだろう。
相当数の情報が車体や接地タイヤに伝わってきたりと、一つの環境の変化でいつも走る方法は変わってくる。
最近のグランツーリスモは一つ一つの車が個々にシュミレートされており、一つのグリップと言っても車種によって細かな走らせ方は無限大で、駆動形式やエンジン位置、車重、エンジンパワーなどによっても少し走り方が変わる。
例えば軽自動車の様な少ないパワーのFR車(フロントエンジン、リアドライブ)の車だと、コーナー脱出時にアクセルをベタ踏みでもタイヤのグリップ以上の駆動はしないために、そのままスイスイとコーナーを抜けていく。
だが、大排気量車や大きなパワーを持っている車は、アクセルを踏むとすぐにリアタイヤのグリップの限界を超えてしまい。スピンしてしまったり、コーナー脱出速度が遅くなったりしてしまう。
FR車一つ考えても、個々の車両は動きが違うし、走行スタイルは無限大と言えるだろう。
今回のグランツーリスモ「GT SPORT」の、グリップカテゴリーは今のところ6つ。
これが至って面白い。筆者が感じたところは、コーナー速度が遅い車にはストレートの伸びを、コーナーが速い車にはストレートが少し遅い傾向の設定をしたりと、この車だけが以上に速い、遅いというハンデが少なくなっている。
このBOP設定のおかげで、個々の車両に違うシュミレーションを入れても、ほぼ同等に走れるようになっている。
大概のゲームが、ゲーム内の最速な車をユーザーが発見し、乗り続け勝利することで、その車両がオンラインで広がり、オンラインレースに出ても、その車だけが走っている状況になりがちである。
BOPのおかげでオンラインレースなどでも沢山の種類の車両が混戦しているゲームになっていて、自分の好きな車でも、トップ争いができるゲーム性になっているシュミレーションゲームはなかなかないだろう。
GT SPORTでのラリー
ラリーは、ターマック路面と違い、様々なコース状況がある。
砂、泥、雪、砂利等、路面の種類、ジャンプやバンプなどのコースの形状だけでも組み合わせは無限大だ。
車両としては断然4WD、全てタイヤに駆動を伝えていることで、マッドな路面などの低いμでも車が進むのが速い。
逆にFRをレギュレーションとして、いかに路面に使える駆動を伝えきりながら走るのも面白そうだ。
今回の「GT SPORT」は上記でも話した通り、物理シュミレーションが多いに向上していて、その恩恵はこのラリーカテゴリーにも多く効いているだろう。
ラリーは二代目グランツーリスモからの収録になっているが、グランツーリスモとしては今までラリーというジャンルをゲーム内から、カテゴリー削除したことはない。
「GT SPORT」は前作からのグラフィックの向上で、煙、路面のリアルさや、砂利の細かな描写などがすばらしい。
また、走行時の車内や車両に伝わってくる音もやる気にさせてくれる魅力である。こちらも最近のグランツーリスモの売りである、物理シュミレーションがすばらしい。
次々に変わっていく路面状況などを車体に伝え、車体が大きく乱れたりする。少しの気も抜けないような本物思考の作りになっている。
車両カテゴリーはGr,Bに設定されていて台数もかなり多い、車両としては、三菱ランサーエボリューションや、フォードフォーカスなどの実際にWRCなどのラリーイベントに参加している車で、気持ちよく荒れた路面を走れるように、初期段階からラリー仕様にチューンナップされている。
さらに、N100〜N1000までの車両もラリー設定がある車は走れるようになっていて、ラリーとしての走行ジャンルをできる車はかなり有ると言える。
さらに最近は、ラリー車両のジムカーナ走行などの人気で、ターマック路面(アスファルト路面)でGr,Bを走らせるというグランツーリスモ内のイベントがあったりと、ゲーム内でも大きく関係しているジャンルだ。今後も制作側は大きく手を入れていくジャンルだとも言えるだろう。
まとめ
「GT SPORT」には沢山の車両が収録されており、上記でもお話した通り、車両一つ一つのシュミレーションがある。
車両ごと走らせ方が違うしセッティング方法も違くて、それらは無限大である。単に腕や、一番速い車同士で競い合うのではなくて、この車両はここが速いけど、ここは遅い、ここは遅いけど、ここが速いなど車両選びにも、コース環境の変化や対戦相手の状況を見たり、細かいセッティングをして多種混合なBOP戦にトライしてもいいのではないだろうか?
筆者が今までプレイしてきた、一般的なカーレースゲームで、ここまで忠実に挙動をシュミレーションしてくれる、ゲームがあっただろうか?これからの「GT SPORT」グランツーリスモシリーズの更なる発展や機能や車種のアップデートに期待したい。